肌の構造

肌組織の構造

肌は表皮(0.2mm)と真皮(2mm)、その下の皮下組織(2~10mm)で構成されています。表皮と真皮の間に基底膜という膜があり、そこにある表皮幹細胞が表皮細胞を次から次へと生み出して表皮のターンオーバーを司っています。その隣にはメラノサイト(色素細胞)がメラニンを発生して表皮細胞に受け渡しています。

表皮の下には真皮があります。真皮の大半を占める網状層には線維芽細胞がまばらに存在し、太くて柔らかい柱のようなコラーゲン繊維や、バネのよな弾力を持つエラスチン繊維、隙間を埋めるゼリーのようなヒアルロン酸などのタンパク質を生み出しています。
真皮の網状層を構成するタンパク質が豊富な状態なら、ハリと弾力と潤いのある肌になります。

◆コラーゲン  : 柱   → ハリ
◆エラスチン  : バネ  → 弾力
◆ヒアルロン酸 : ゼリー → 潤い

これらのタンパク質は常に分解と生成が繰り返されており、このサイクルを司っているのが線維芽細胞です。

■肌の断面イメージ
肌の断面


繊維状タンパク質

真皮を構成するタンパク質は、紫外線で損傷を受けたり、活性酸素で酸化したり、AGEsで糖化したと、時間とともに劣化します。これらタンパク質は分解酵素によって分解され、線維芽細胞によって再生成される再生サイクルによって、新鮮で健康な状態に保たれています。

幼少期には分解よりも生成の量が上回るため、太くて力強い繊維状タンパク質と豊富なヒアルロン酸が、透明で弾けるような弾力ある肌を作り出します。
幼少期を過ぎると、分解と生成のバランスが均衡状態になり、その日のコンディションが肌に現れ易くなったりしります。
個人差はありますが、壮年期にさしかかると、分解が生成を上回るようになり、組織の弱体かが始まります。分解が生成を上回る状態を長期間放置すると、繊維状タンパク質がやせ細り、隙間を埋めるヒアルロン酸も減少し、「皮膚粗鬆症」と言われる状態になることがあります。

■年代別繊維状タンパク質

年代別 コラーゲン エラスチン



ターンオーバーの仕組み


コラーゲン繊維の質

右のイメージは、活性の良い線維芽細胞と活性の悪い線維芽細胞が作り出したコラーゲン繊維です。活性の良い線維芽細胞は太くてハリのあるコラーゲン繊維をどんどん作り出します。一方の活性の悪い線維芽細胞は、細くて力のないコラーゲン繊維しか作り出せません。コラーゲンを外から浸透させてもこの柱を太くすることはできません。

ハリと弾力があり、みずみずしい潤いのある肌を作り出すには、線維芽細胞を活性化し、太くて力のある繊維状タンパク質を作り出させることが重要です。

■コラーゲン繊維

肌の仕組み2


ターンオーバーと肌のくすみ

肌の最も表面の表皮は、角質層と表皮細胞で構成されます。
表皮の底辺、基底膜にある表皮幹細胞が表皮細胞を次々に生み出すことで、表皮細胞を肌の表面へと押し上げます。これがターンオーバーの源です。この基底膜上には表皮幹細胞と並んでメラノサイト(色素細胞)があり、紫外線に反応してメラニン色素を生産し表皮細胞に受渡しています。

ターンオーバーの周期は年齢とともに長期化してしまいます。ですが、紫外線等から肌を守ろうとするメラニンは変わる事なく生産されます。その結果、表皮細胞内のメラニン濃度が高くなり、肌の透明感が失われていきます。これがくすみの原因です。
ターンオーバーが滞ったままメラニン濃度の高い状態が続くと、基底膜内にメラニンが侵入していまい、シミや色素沈着の原因となってしまいます。

ターンオーバーの周期は表皮細胞の生産量によって決まります。つまり、表皮細胞を生み出す表皮幹細胞の活性がターンオーバーを司っているのです。表皮幹細胞を活性化し、ターンオーバーを促進することでキメの整った透明感のある肌を取り戻すことができます。

 
■表皮幹細胞 ■ターンオーバーの周期



肌老化のメカニズム



表情は、最深部の筋肉が伸縮し、皮下組織や真皮、そして表皮が変形することで現れます。真皮にタンパク質が満たされれている状態であれば、その反発力と柔軟性でシワは現れません。真皮のタンパク質が減少し反発力と柔軟性が失われてくなると、表皮にシワが現れれます。これが繰り返されるうちに弱い組織が崩壊し、筋肉の動きに関係のないシワが刻まれてしまいます。

肌老化

肌老化のステップ


反発力と吸収力

皮膚は反発力と吸収力を持っています。強い肌組織は反発力が大きく、弱い肌組織は吸収力が大きくなります。真皮のコラーゲンやエラスチンが丈夫で柔軟性があり、ヒアルロン酸がなみなみと存在すれば反発力となり、これらタンパク質が減少すると吸収力となって現れます。

最初に現れるシワは、瞬きによって最も動きの多い箇所、目元です。真皮層のタンパク質が減少し組織が弱くなると、瞬きの動きを吸収するようになってしまいます。この状態が長期間続くと、最も弱い一本の線上に応力が集中し、その部分の組織が崩壊することで、シワとなって現れるのです。

目尻のシワは老化のサインです。


肌バランス

タンパク質は分解酵素と線維芽細胞の働きで常に再生されています。線維芽細胞の活性が悪くなることによって、このバランスが崩れます。分解が滞ると古いコラーゲンが皮膚に溜まってしまい、厚くて硬い男性のような肌になってしまいます。生成が減ってしまうと組織が弱くなり、シワの原因となります。

健康な肌の管理は、この肌バランスをコントロールすることが重要です。



 

このバランスを司っているのが真皮層にある線維芽細胞です。線維芽細胞の活性がよいと、下図左のように丈夫な繊維状タンパク質が生成されます。

線維芽細胞の活性が落ちてくると、脆弱な組織になってしまうのです。





肌老化の根本原因



 


 
女性には2度、肌バランスのターニングポイントがあります。成長期が終わり大人になる25歳前後と壮年期に入る45歳前後です。この時期は内的要因と外的要因によりおおきな個人差があります。
成長期の終わった25歳前後になると体調の変化が肌に現れたり、前日の無理が肌に現れたりし始めます。また、45前前後になるとそれまで気にならなかったシミやシワが一気に現れ始めたりします。
これらは全て肌バランスの変化によるもので、線維芽細胞の活性がその源です。

内的要因とは遺伝的なもので、時間の経過にともなって現れます。もう一つの外的要因は紫外線や化学物質、喫煙や間違った食生活などによってもたらされます。特に外的要因が大きく影響し、中でも紫外線と喫煙による影響はとても大きいと言われています。一卵性双生児の双子の兄弟は内的要因である遺伝情報はほぼ同じと見て良いわけですが、一方が喫煙しもう一方が喫煙しなかった場合の肌老化は驚くほどの違いが現れます。

肌老化の原因はさまざまありますが、いずれの場合にも細胞の活性が悪くなることによって肌バランスが崩れるのです。これが肌老化の根本原因です。


細胞活性の低下


細胞活性の低下

活性酵素とSOD


細胞活性の低下は活性酸素によってもたらされます。活性酸素は細胞がエネルギーを作り出すときになどに自ら発生しており、これを打ち消すSODという抗酸化酵素も同時に生成することで無害化されています。SODの生産量は年齢とともに減少します。35歳くらいから急激に減少し、活性酸素による老化現象が徐々に現れ始めます。

活性酸素は激しい運動や精神的なストレス、喫煙や公害、添加物などの化学物質などによって発生します。特に激しい運動などで筋肉が一気にエネルギーを必要とする際や、ストレスなどで胃が縮小し一時的な酸欠状態になった後等、血液がドッと流れ込む際に大量に発生します。
活性酸素が大量発生した際、SODも同時に大量生産され中和されれば問題ありませんが、SODの生産が不足し中和しきれなくなると、活性酸素が様々な弊害を引き起こしはじめます。最も顕著な弊害が老化現象といえるでしょう。
年齢別SODの活性

細胞不活性化のスパイラル

活性酸素の大量発生に対してSOD生成が不足し始めると、細胞自体を傷つけはじめ細胞の活性をさらに悪くします。これによってSODの生成能力がさらに低下するという悪循環に陥ります。
我々はこの現象を様々な老化現象として実感することになります。
 

肌の老化スパイラル

◆ 息切れや疲労感

◆ 白髪、抜け毛

◆ シミ、くすみ、シワ等、肌の老化

◆ 新陳代謝の衰え






幹細胞とアンチエイジング


幹細胞とは

成体幹細胞
■ 幹細胞種類
幹細胞とは自分自身が分裂増殖することができ、個別の細胞に分化することができる細胞のことです。

幹細胞は大きく4つに分類する事ができます。
何にでもなれる全能性、特定の器官以外何にでもなれる万能性、特定の細胞系列内で分化可能な多能性、決まった細胞にだけ分化可能な単能性があります。全能性は受精卵だけで、受精後2週間だけ全能性の幹細胞となります。

■ 成体幹細胞
私達の体内では常に細胞の新陳代謝が繰り返されています。これらを司っているのが成体幹細胞です。例えば線維芽細胞などを生み出す真皮幹細胞や、表皮細胞などを生み出す表皮幹細胞がこれです。

臍帯血や骨髄、血液や脂肪中に存在し、骨、肝臓、血液などの個別の器官を作り出している細胞で、造血幹細胞、中間葉細胞、神経幹細胞、皮膚幹細胞などがあります。


幹細胞コスメとは


皮膚生理学や細胞学の進化に伴い、コスメの世界も大きな進化を遂げています。
基底膜にある幹細胞の一種、表皮幹細胞が表皮細胞を作り出しターンオーバーの周期を司っています。また、真皮層にある線維芽細胞がコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生成し肌組織を作り出しています。この線維芽細胞を生み出しているのは真皮幹細胞です。

真皮幹細胞が線維芽細胞を量産し、表皮幹細胞が表皮細胞を量産すれば、線維芽細胞がタンパク質を量産しターンオーバーが短縮し、肌組織は若々しい健康な状態に戻ります。

私たちの考える「幹細胞コスメ」とは、幹細胞に直接働きかけて肌組織を活性化する次世代のコスメです。

成体幹細胞と肌を作る細胞



成長因子の働き



細胞活性化とは


薬が効く原理は細胞の持っている能力を機能させるか、その機能をブロックさせるかの2通りがあります。細胞の持つ能力とは遺伝情報を機能させる事を言います。細胞には特定のカタチをした鍵穴(レセプター)があり、そこに特定のカタチに合致した鍵(リガント)が結びつく事で機能し始め、遺伝情報を元にさまざまなタンパク質が作り出されます。

リガントとレセプター

細胞活性の鍵•••情報伝達因子


グロースファクター、サイトカインやインターロイキンなどは細胞の活動を制御する鍵(リガント)そのものです。これらは細胞への情報伝達を行う信号の役割を担っている事から情報伝達因子と呼ばれています。これらと似た働きをするものにホルモンがあります。ホルモンも情報伝達因子の一つですが、ホルモンは臓器や脳などの器官が別の器官に情報を伝達するもので、大きな命令系統を担っています。その他の情報伝達因子は細胞間の情報伝達を担っています。
情報伝達因子の中で特に細胞の成長や増殖を促すものを成長因子•増殖因子(グロースファクター)と分類しています。それ以外にもその役割によっていサイトカインやインターロイキンなどに分類されます。情報伝達因子は現在解明されているものだけでも200種類以上あります。

細胞内の細胞核には染色体があり、その染色体は細い2重螺旋のDNAが整然と折り畳まってできています。DNAには様々な遺伝情報が格納されており、個々の遺伝情報を遺伝子と呼んでいます。

遺伝子は細胞にあるレセプターにリガントが結合することで読み解かれ、アミノ酸が呼び寄せられ結合してタンパク質がつくりだされます。ここで作り出されるタンパク質が他の細胞に命令を伝達する情報伝達因子であったり、活性酸素を中和するSODであったり、肌を構成する細胞外マトリックスタンパク質なのです。

情報伝達物質(命令)を受取り活動(活性化)し、さらに他の細胞に情報伝達物質(命令)を受け渡す。これが細胞の活性化のメカニズムです。

細胞を活性化するのは成長因子



DNAはタンパク質の設計図です。細胞がこの設計図を元に作り出すタンパク質こそがコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸など肌を構成したり、表皮のターンオーバーを作り出すのです。

成長因子



幹細胞培養液とは



美容医療の分野においては、線維芽細胞培養液と脂肪由来幹細胞培養液の利用が進んでおり、日本でも最新のアンチエイジング美肌再生治療に活用されています。

アメリカ等では既に幹細胞培養液が配合された「幹細胞コスメ」が革新的なアンチエイジング化粧品として人気を集めています。

成体幹細胞培養液成分の効果・効能


幹細胞培養液成分とは、幹細胞が分泌する生理的活性を持つペプチドを精製した成分です。ペプチドは私たちの体を構成するアミノ酸が複雑に結合したもので、アレルギー反応の心配がなく安全であることから、様々な分野に活用が広まっています。

例えば歯髄幹細胞培養液を使った骨髄損傷の再生や、ヒト脂肪由来幹細胞培養液を使った美肌再生治療、頭髪再生治療などに活用が広がっています。

ヒト脂肪由来幹細胞培養液には様々な成長因子や酵素、SOD、コラーゲンやヒアルロン酸等、細胞外マトリックス成分が豊富に含まれており、シワ改善効果や美白効果、抗酸化作用、発毛・増毛効果等、様々な生理的活性効果が研究報告されています。


成体幹細胞培養液成分の効果・効能



スキンケアの革命



化粧品の進化とバイオテクノロジー
バイオテクノロジーの進化による化粧品の大きな変化
矢印

表皮の油分と水分のバランス


初期のスキンケアは表皮の油分:水分バランスを整えることが主な機能でした。石油化学の発展により、それまでの天然成分に置き換わって化学添加物が多く使われるようになり、使用感は格段に良くなりました。その反面、長期的には肌にダメージを与え老化を早めていることが分かって来ました。

 


タンパク質の補給


次の世代のスキンケアは、シワの原因、タンパク質(コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン)の減少に対して、これらを補給する機能をもたせました。

鍵となる浸透技術の開発競争が盛んになり、即効性のあるコラーゲン配合商品などが登場しましたが、これも対処療法的な処置でしかありません。

 

再生と防御によるアンチエイジング

アンチエイジングスキンケアとは、幹細胞サイエンスを基に肌バランスを崩す根源の細胞の活性に着目し、細胞を活性化する事で弱くなった肌組織を若々しい状態に再生します。同時に直接的な原因である酸化や糖化の防御を行います。

根本原因の解決=細胞活性化



次世代のスキンケアとは



これまでのスキンケア


これまでスキンケアは、減少してしまった成分をいかに補うかにフォーカスしていました。肌に浸透させるか技術が鍵となるわけですが、減少したものを補填しているにすぎず、根本的な問題の解決にはなっていませんでした。

これまでの対処療法とこれからの根本治療

これからスキンケア


最新の再生美容においては、根本的な原因に着目しはじめています。根本的な原因とは、細胞の活性です。真皮幹細胞に線維芽細胞を増産させ、線維芽細胞に丈夫なタンパク質を量産させ、表皮幹細胞に表皮細胞を量産させることです。

細胞が活性化すると自らSODや成長因子も量産し始めますので、悪循環を断ち切り、活性サイクルに導く事ができるのです。

細胞を活性化 → SOD増加 → 抗酸化力上昇 → 細胞老化ストップ →

    成長因子増加 → タンパク質増加 → シワ改善

    成長因子増加 → 細胞分裂増加 → ターンオーバー短縮 → シミくすみ改善

これが、再生医療から派生した幹細胞コスメです。