2016年3月号 月刊「健康と医療」に取材記事が掲載されました。

急成長のヒト幹細胞培養液(幹細胞コスメ) 日本では2014年から生物由来原料基準の規制対象となるも 実情を知らずに取扱を開始するケースが販売者側の認識不足が多発散見される! ヒト幹細胞培養液を活用した幹細胞コスメが注目されている。ここ数年で、アメリカでは1兆円規模へ、韓国では1000億円規模にまで市場が急速に広がっている。日本でも同様のチャンスがあると睨んだ美容メーカーが、幹細胞培養液配合コスメ化粧品の取り扱いを新たに始めるケースが増えてきている。 周知のとおり幹細胞培養液には細胞が含まれないため再生医療等安全性確保法案の枠組みの対象から外れている。すでに、美容先進国である韓国やアメリカからヒト幹細胞培養液配合の化粧品や原料を輸入し商品化して販売しているメーカーも数社ほどあり、いずれも売上は上々のようだ。さらに2016年には大手エステサロンがヒト幹細胞培養液を使用したコースメニューを導入し、更なる認知度拡大に繋がると予想される。 今後の市場拡大が予想される幹細胞培養液だが、実は困ったことに輸入業者が関連する法令を知らぬままに国内へ輸入し流通させているケースが発生しており、今後の対応等が問題視されるのではないかという声が一部で上がりつつある。その理由はこうだ。 2014年の旧薬事法改正に伴って改訂された「生物由来原料基準」によって、これまで除外されていた化粧品が新たに本基準の規制対象となった。しかし、それまで特に薬規法(旧薬事法)等の法対象となっていなかったメーカー販売者サイドでは、これらの法律法改正を知らないままにの認識が不足したまま取扱いを開始するケースが多く、今後、消費者から問い合わせがあった際に適切な対応ができるかが懸念されているという。 2012年から幹細胞培養液の研究、供給を開始しているアンチエイジング株式会社代表取締役 野中秀訓氏によると、同社では、幹細胞培養液の世界的リーディングカンパニーであるバイオマテリアル研究所「CELLINBIO(セルインバイオ)」と提携しており、韓国の厚生労働省KFDAの規制を遵守するだけではなく、日本の厚生労働省が定めた生物由来原料基準にも準拠する生産体制を確立している。また、品質管理基準である医薬品GMPに準拠したクリーンルームにてSOPを施設と管理体制を確立整えてして生産を行っている。同研究所の安全検査は、ドナー適合性検査、採取組織の均質性検査、培養施設環境管理(医薬品GMP)、培養製造工程管理(医薬品GMP)、培養液安全性評価(医薬品GLP)、構成成分検査、製造ロット毎の全数検査(菌、ウィルス)などトレーサビリティーの確立と様々な検査基準をクリアした成分だけが製品として出荷されている。特に培養液の安全性評価に関しては、医薬品GLP試験適正基準を自主的に設け、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、1次皮膚刺激試験、粘膜刺激試験、皮膚感作性試験、光毒性・光感作性試験など医薬品レベルでの品質管理を行うことで品質保証を徹底しているという。 美容大国である韓国では、アメリカ・ヨーロッパ同様に「効果が期待できる化粧品」として機能性化粧品(コスメシューティカル)という化粧品カテゴリーが設置されているが、日本では残念ながらこのような概念は存在していない。そのため既存の化粧品原料同様のフローでヒト幹細胞培養液を導入するメーカーが大半だが、実は生物由来原料基準にて規制されている原料のため、本来であれば上述のような徹底した検査を行い、安全であるというエビデンスを準備した上で販売を行うことが求められるはずの原料であるという点を私たちは認識しないといけない。今後、医療機関でも幹細胞培養液の取り扱いを行う可能性は大いにあると思われるが、こういった化粧品業界の動向を理解した上で、安全な製品を選択し、一般消費者へ提供していかねばならない。 アンチエイジング株式会社代表の野中氏は「既存の化粧品原料と異なり、大きな可能性を秘めたヒト幹細胞培養液は、安全性や品質の面でも一般の化粧品以上の厳格な管理が求められており、国内化粧品業界においては、まずは業界独自のガイドラインを設けることによって消費者保護のインフラの整備を行い、その上で市場拡大に向けて業界全体で市場を盛り上げていきたい。」と話す。同社では今後、幹細胞培養液の正しい知識の普及と化粧品業界におけるガイドラン設置を目的とした「ヒト幹細胞培養液協会」(仮称)を新たに立ち上げる予定だという。 20160415165024-0001